妻の怒りを買い、鍵を没収されました・・・

結婚は墓場だというけれど、僕もそれは間違いないと思う。それならどうして結婚したかって?それはやはり、世間体のためというのが大きい。僕の妻は、僕が勤めている会社の上司の娘さんだ。いわゆる政略結婚というやつである。モンスターズインクに出てくる水色の化け物(名前は知らない)の実写版のような彼女の容姿も、すぐ血が昇る感情的な性格もまったく僕のタイプではなかったけれど、彼女も上司も僕のことを気に入っているようだったし、何より彼女と結婚すれば今の会社で上の方までのし上がっていけるのは間違いなかったから、それはとても魅力だったのだ。

だけど結婚してから、家で過ごす時間というのが思ったより長いということに気付いた。最近会社側が勤務時間に厳しくなってしまったため、週に一度は定時に帰らないといけないし、土日に出勤しても代休を必ず取らなくてはならないため、どうしても家で過ごす時間が長くなってしまうのだ。その時間を読書やクラッシック鑑賞に費やせればいいのだけど、僕が一人の時間を満喫していると決まって妻の機嫌が悪くなり、ものや僕に当たり散らす。感情をこじらせて八つ当たりなんて、僕からしたら何て非生産的行動以外の何物でもない。そのエネルギーを掃除なり料理なりに費やせば、もう少し家は綺麗になるし料理の品数だってもう一品増やせることもできるだろうに。だけどそんな僕の感情に気づくのか、嫁の機嫌は悪くなり、関係も悪化する一方だ。そしてとうとう、妻の怒りを買い、僕の鍵を没収されてしまったのである。まるで、お前はこの家の人間じゃないとでも言わんばかりに。

子供が欲しいという点でも彼女と僕の意見は噛み合わない。水色の化け物のような子供が産まれても、僕はその子を愛せないだろう。だけど離婚なんてことになれば僕の将来はなくなるも同然だ。まちがいなく、結婚は墓場である。